高校ダンスの全国大会、すべての演技が終了後、審査結果の発表がある。ダンス作品の発表会ではなく、競技大会なので最後に順位をつけねばならない。全国大会を目標に練習してきた学校もあれば、全国大会優勝を目標にして来た学校もある。

そして審査の発表。独特な空気に会場は包まれる。静まり返る。

今回のダンススタジアムビッグクラスであれば、まず入賞した学校が6校、優秀賞として校名がよばれてその演技をおこなった学校のチームは全員で舞台に駆け上がる。

喜んで舞台に駆け上がる、かと言ったらそうでもない。特にここ数年優勝だけを目標に厳しい練習を積んできたチームが増え、この段階で名前を呼ばれたことによって、茫然自失となり、夢を絶たれたような状態に陥る。席を立つにも時間がかかり、足取りも重く舞台にあがる。

「優勝しかない。絶対に優勝する。その想いで厳しい練習を繰り返してきた。優勝しか考えられない。」なので審査発表で名前を呼ばれても、歓喜の声を上げるのは優勝校の一校だけということになりかねない。

今回も、ただ淡々と優勝ではなかった学校が優秀賞として名前を呼ばれて舞台にあがる光景がみられ、そして大会主催者からはこのことに関してやわらかな言葉が子供たちに投げかけられた。この大会で最後に表彰式で名前を呼ばれて、今チーム全員でこの舞台に立っている学校は、順位はどうであれ、自分たちをもっと誇りに思っていいんですよ、と。

当然ながら、圧倒的に多くの学校が表彰の時舞台には立てない。表彰式の時、舞台に立っている学校が特段エライという訳でもないと思う。

それでも、審査員に評価されて舞台に立つ学校は、せっかくなので、もう少し喜んでもよいのになと個人的に思います。ダンスを踊って、ダンスの大会に出るということは勝ったり、負けたり、ということです。

もう少し、本音を言います。

あまりブログで本音は言いませんが言います。

もしかして、高校ダンス部、大会で優勝するために練習のしすぎではないだろうか。優勝するために練習量が増えすぎてやいないか、増えすぎているのかもしれない、と感じます。夏休み期間であれば、一日10時間の練習とか。シンクロナイズドスイミング並みの練習で徹底的に揃えまくる。

これはダンス部に限らず、日本の学校の部活動全体にも敷衍して言えることかな、と考えます。勝つために際限なく競争が激しくなると、尋常ではない練習量に激増し、優勝することがいつのまにか至上命題のようになってしまう。

表彰式の光景をみながら、そんなことを感じました。

どこが勝とうが負けようが、まあ今日のところはこれぐらいにしておこう、という感じの太っ腹な大会になればよいのにな。無理か。無理やな。俺もそこまでおおらかにはなれません。やはり勝ちたい気持ちはどうしても残る。それでもほどほどの一日の練習時間で、勝ったり負けたりの牧歌的な部活動を推奨したいと考えます。

特に俺たちがやっていることがダンスなので、ダンスの大会なので、そう思います。大会のその日まで勝つために最大限の努力はするけれど、大会の当日は誰よりも心から楽しんで踊る。

そして結果なんてそんなものはどうでもよい、とはなかなかならないけれどね。